Fear
私はアイドルが好きだ。
キャッチーな楽曲が好きだ。新曲リリースのたびにコンセプトを作り上げて、毎回違った魅力を魅せてくれるのが好きだ。歌って踊る姿が好きだ。スポットライトを求めて努力する姿が好きだ。
たぶん私は「アイドル」というジャンルが好きだ。
スポットライトが照らすステージで、今世界で1番輝いている存在はきっと君だと、そう思わせてくれるアイドルが好きだ。
何故そう思うのかは分からない。
でも、もう「アイドル」というショービズの世界に魅了されてしまったのだから、これは仕方ない。
私は「アイドル」が好きだから、出来ればずっと「アイドル」でいてほしいと思ってしまう。
ずっと「アイドル」でいてほしいから、ずっと「アイドル」でいてくれる環境をつくらなければと思ってしまう。
「アイドル」であることを苦痛に思わないでほしい、「アイドル」であるから行動が制約されると思わないでほしい。
「アイドル」であることを幸せに思ってほしい、幸せな姿さえみせてくれたらきっと「アイドル」として輝いてみえるから。
そんなエゴばかり「アイドル」に求めてしまう、ファンは無責任な観客だ
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ソレはどこからやってくるのか
SEVENTEENが先月リリースしたアルバム「An Ode」のタイトル曲
『독:Fear』
毒と恐れ、原題と英題にしては少し離れすぎているように思えるこのタイトルについて、彼らは「この曲は自分たちの中にある『恐れ』という感情を、毒というテーマで表現した曲」だと説明した。
넌 내 기억을 지워야 돼
I’m poison
I know I can’t take it no more
「僕は毒だ」「もうどうすることもできない」「だから僕の記憶を消してくれ」
愛が大きくなりすぎてコントロール不能になった、このままでは愛する人を傷つけてしまう。だから僕から離れてくれ。
歌詞をストレートに受け取れば、それは深い愛の歌だ。
でも、ここでの毒は恐怖なのだ。
恐怖に蝕まれ、「もうダメだ」「どうしようもない」
そんな感情に飲み込まれながらも
「君」にこの感情をぶつけることもできない。
それは自分の中に生まれた毒だから
有毒生物は自分の身を守ったり、捕食のために毒を生成するらしい。
そして、有毒生物は自分の毒では死なない。
では、自分自身を蝕むほどの毒はどこからやってくるのだろうか。
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「死魅そう(しみそう)」と歌った曲がある。
他人事だと、理解できないと思っていても
いつのまにか毒に蝕まれて、どうすることも出来なくなっていることがある。
名前のつかない感情に苦しむことがあっても
ソレがあなただけに感じられる感情であっても
ソレはあなたのせいで生まれたものじゃない
幸せになってくれなんて、無責任に願わない
選んだ選択を責めることは、とてもできない
ただ、自分の人生を選んでくれたらそれでいいのかもしれない。
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誰も責めない、おつかれさま
(2019/10/14)